地域分析というのは、鑑定評価書に必ず記載すべき事項のことです。

一般に、不動産は、自然的条件や人文的条件の全部あるいは一部を共通することにより、他の不動産とともにある地域を構成しています。

ここで、鑑定評価書における地域分析とは、次のようなものがもたらす地域内の不動産の利用形態と価格形成への影響力を分析し、判定することをいいます。

■その対象不動産の存する地理的位置
■対象不動産の存する地域の特性
■対象不動産に係る取引市場の特性

地域分析にあたり特に重要な地域というのは、用途的に同質性を有する一定の地域※で、これはすなわち、近隣地域とその類似地域、近隣地域とこれと相関関係にある類似地域を含む広域的な地域、つまり同一需給圏ということができます。

※用途的観点から区分される地域、用途的地域といいます。

近隣地域の特性というのは、一般にはその地域に属する不動産の利用形態、すなわち標準的使用に現れます。

なので、この標準的使用の現状と将来の動向とをあわせて分析することは、対象不動産の個別分析にあたり最有効使用の判定の有力な手掛かりとなります。